Prestoが見た10年とWeb
最終更新:2013年2月14日 00時31分
公開:2013年2月13日 23時24分
所要時間:約2分
2003年、Operaは刷新された。 青いスキンに、新しいエンジン。 やたら機敏だったElektraを捨てて、Prestoを搭載した。 それから10年経った、2013年。 OperaはPrestoを捨て、WebKitベースのブラウザになる。 ECMAScriptのエンジンもV8になる。 2009年から比較的長く使われたCaracanエンジンにも別れを告げるそうだ。
Operaはずっとシェアに泣かされている。 明文化されていない仕様を泥臭く追いかけることが使命だったかのようにもみえた。 出た頃は、Internet Explorerという巨人と、描画周りの戦いを。 描画が落ち着くと、Firefoxとスクリプトエンジンの挙動で涙する。 そして今はモバイル向けのWebKit。 これは独自仕様前提でくまれているケースも多々あるようで、一層たちが悪いように思われる。 そんなこんなな状態ではあるので、驚きはあまりない。 ついに来たか、といった感じだろうか。 WebKitへの積極的なコミットがなさそうであることは、予想外ではあったけれども。
明文化されていればいい。 標準化されていればいい。… …なんて声を稀に聞く(多くはない)。 WebKitは、市中で最もシェアを持つソフトウェアだ。 明文化してしまうことも、標準化してしまうことも、やろうと思えばできてしまう(もちろん自浄作用は働くし、抑制する仕組みもあるのは百も承知)。 そんな中で、多少なりともシェアを持っていたエンジンが消えてしまうのは惜しい。 関わっている組織の数という単純な指標において、WebKitとその他の差は更に広がってしまった。 WebKit標準なんて揶揄が再び広まらないことを願いたい。