Opera Mailはフォルダ管理を捨てたメーラーだ。今までのメーラーを模した受信箱やゴミ箱などのインタフェースはあるもののそれらは全てフィルタリングされた結果を表示しているだけに過ぎない。フォルダの概念を持たない代わりに様々なフィルタが用意されており、足りない分は自分でフィルタを作り補って行く……というスタンスだ。Opera Mailのインタフェースは全てMac OS Xで言うところのスマートフォルダ、Windows Vistaで言うところの検索フォルダなのだ。
Opera Mailが用意しているフィルタの1つにラベルがある。これは自分で明示的に用いる唯一のフィルタだ。自動的にラベルが付加されることは決してない。やろうと思えばOpera Mailのラベルを用いることで似非GTDを実現することもできるような気がする。……いや、それは難しいか。
Opera Mailは多彩なフィルタを用意することでフォルダ管理以上のものを提供しているのだ。
しかしフォルダの概念が無いことによって問題を引き起こすこともある。影響が最も大きいのはIMAPアカウントだろう。IMAPアカウントであればどこからでも同じフォルダ階層、未既読情報を共有しつつメールアカウントを管理できるが、ひとたびそれにOperaが混ざるとちょいと面倒なことになる。
最近のバージョンでは以下のことはできるようになった。
しかし、Opera MailでIMAPを利用すると次のような問題が生じる。
フォルダの追加は日常的に行うアクションではないためそれほど問題にならないのだが、他の2つが致命的な問題になりうる。
未読メッセージをフィルタリングして適当なフォルダに保存させる機能を有したメーラは多いが、ひとたびOpera Mailで既読化してしまうとそのメッセージは標準のフォルダに保持されることとなる。その結果メッセージが行方不明になってしまう。検索主体のOpera Mailなどのメーラを中心に使っている人に影響は少ないが、そうでない人にとってOpera Mailは鬼門であるように感じる。
Opera Mailを中心に使っている人にとってはラベルが反映されないというのは大きな問題になる。ラベルを付けて既読化して放置、という一般的(?)作業フローができなくなってしまうのだから……。
尤も、ラベルに関しては全てのIMAPサーバに対して言える問題ではないようだ。IMAPでラベルが共有されるからOpera Mailを使っている
との情報を得たため試してみたところ、手元の3アカウントでは1つのアカウントを除いてラベルは反映されなかった。その1つのアカウントというのは、その情報をくれた人の使っているのと同じもの。Opera Mailユーザが極めて多い、非一般的なIMAPサービス。ここには何かがあるのだろう。ラベルが反映されないサーバが殆どだろうと思う。
OperaでIMAPアカウントを使うのはまだ幾らかの壁があるのは確かなようだ。